3歳、4歳でピアノを習わせるなら知っておいてほしいこと
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3歳、4歳でピアノを習うなら知っておいてほしいこと
こんにちは!みやもとピアノ教室の宮本理恵です。
3歳、4歳といえば、幼稚園入園前後から、年中くらいのタイミング!
「そろそろピアノを習わせたいけれど、先生のお話が聞けるか心配だし、集中力が持たないし、練習させる自信がない」
と、ピアノのレッスンを躊躇されている保護者様へ。
3歳〜4歳さんからピアノのレッスンを受ける前に、知っておいてほしいポイントを、ご紹介します!

そもそも、30分集中力はもちません
ピアノ教室のレッスン時間は、30分というところが一番多いと思います。
けれど、幼児さんはそもそも、30分集中力はもちません。
以前、小学生の自宅での勉強時間について、「学年×10分」という試算を聞いたことがあります。
ということは、小学3年生で、やっと30分!
でもこれは「ひとつのことに対して、集中力がもたない」と捉えたほうがよいでしょう。

たとえば、幼児向けのテレビ番組は、数分単位で内容や場面がコロコロと変わります。幼児さんは、テレビに釘付けではないでしょうか?
これと同じで、ピアノレッスンも、飽きてイヤになる直前に、楽しそうな他のことに切り替えていけばよいのです。
ピアノ教室の体験レッスンの際、幼児さんに30分間ずっと、ピアノの椅子に座らせてレッスンをする教室は、幼児さんのレッスンが得意ではないのでは?と感じます。
逆に、ピアノの先生が、手を替え品を替え、あらゆる角度から楽しく音楽的アプローチをしてくれていたら、きっと幼児の指導が上手な先生でしょう!

もしもピアノの鍵盤が、1.6倍の大きさだったら
ピアノの鍵盤の大きさは、3歳児にとって大人の1.6倍、4歳児にとって大人の1.4倍の幅に相当します。
これでは「ドレミ」と弾くだけでも、鍵盤に指を思いっきり押し込まなければいけないことが、想像できます。

幼児さんの指の力は、大人の半分もありません。ピアノの一音を出すだけでも、大人が想像する以上の力を、必要とするわけです。
だからこそ、3歳さんのピアノレッスンは、グーの手でピアノの即興演奏したり、人差し指でぽつんぽつんと、優しく雨の音を鳴らしてみたり‥
幼児が幼児らしく、楽しく音楽を楽しむことが大切です。
音楽は楽しいもの!ひたすらピアノ弾くことだけに、とらわれないでほしい!

ピアノを習う前に、確認したいことあります
本格的にピアノレッスンを受けるためには、
椅子に座って姿勢を保つことと、指を動かすことなどの、身体的な発達
色や形、数や量の知的認識、楽譜を読むための、上下、左右の理解
先生の質問に答えられる、理解力、コミュニケーション能力、語彙力など。
まだ経験の少ない生徒さんの、発達、理解度を一つ一つ見極めながら、適切な指導をしていくことが大切です。

「早くピアノを弾けるようになってほしい。早く楽譜を読めるようにしてほしい。」
と思う保護者さまのお気持ちもよくわかりますが、その子の成長段階を、置き去りにしてはいけません。
生徒さんの理解度を確認せずに、どんどんピアノのレッスンを進めてしまうと
「先生の言ってることがよくわからない→レッスンがつまらない→ピアノ、好きじゃない」
という、悲しい結果になってしまいます。
3、4歳のピアノレッスンでは、ピアノと全く関係ないような教具や学びも、遊び感覚で取り入れ、一人一人の発達段階を確認しながら、レッスン進めていく必要があります。
この「遊び感覚」が大切です。なぜなら幼児さんは、遊ぶことで、学んでいくのです!

3、4歳におすすめのピアノレッスンとは?
3歳、4歳におすすめの、「遊んでいる感覚」のピアノレッスンとは?
具体的にどのようなピアノレッスン方法があるのか、一部ご紹介いたします。

♪3歳の女の子 Aちゃんの場合
お話がよく聞けて、音楽を素直に楽しんでくれますが、指の力が弱く、一本指でもピアノの音がしっかりならせません。
なので、グーの手やパーの手で、ピアノを即興演奏して、ピアノの連弾を楽しみます。
ペダルもつけてあげることで、幼いうちから、ピアノの奥深い音色を体験することができます。
鍵盤の黒鍵が2つのところ、3つのところ(数の理解)、鍵盤の高低、音の強弱、リズム、拍など、音楽的、知的要素も、鍵盤上で遊びながら理解させることができます。
先生とピアノでまねっこ遊びをすれば(模倣奏)記憶力、集中力を身につけることができます。

♪3歳の女の子 Bちゃんの場合
Bちゃんは、動くことが好きなのですが、好きなことしかやりたくないタイプです。
まずはドレミの音階を歌おうとしましたが、今日は気分が乗らないようです。
そこで、画用紙とクレヨンを出しました。Bちゃんは絵を描くのも好きなので、今日は「音に合わせて線を描く、止まる」に変更しました。
まずは、Bちゃんにトライアングルで音を出してもらって、私が音に合わせて線を描いてみせます。
今度は、私がピアノで音を出して、Bちゃんに線を描いてもらいました。耳をすまして聴かないと、描いたり止まったりできないので集中力を使います。音の強弱やテンポも変えれば、ダイナミクスの表現にもつながります。
すっかりご機嫌になったBちゃんに「今度はピアノで音を出してみて」と、ピアノへと誘導します。
本人の意志を尊重しながらうまく誘導していけば、「自分は認められている」という自己肯定感につながり、講師との信頼関係も築けるのです。

♪4歳の男の子 Cくんの場合
ピアノは好きだけど、先生に主導権を握られたくないタイプです。
なので、本人のやりたいことからレッスンします。
Cくんは真っ先にピアノに向かい、自由に弾きました!
こういう時、先生も保護者さまも「そんなデタラメに弾いてないで‥」などと叱らないでほしいです。
ハタから聞くとデタラメな演奏かもしれませんが、教室はグランドピアノ。電子ピアノとは違う、本物の響きを楽しんでいるのです。

その後、指一本でドレミの音階を弾いてくれました。
「すごい!今度はこの指づかいもやってみて」と、正しい指使いに誘導します。
そのあとCくんは「チューリップ」を弾いてくれたので
「今度は黒いチューリップも弾ける?先生が弾いてみるから、よく見ててね!」
先生の弾く手を見て、音を聴いて、覚えて弾く。ピアノdeクボタメソッドへと誘導します。
3歳、4歳さんの「楽しい」「これやりたい」という気持ちを、先生が肯定してあげることが最も重要です。肯定してあげることで、先生が大好きになり、先生の要望も、快く受け入れてくれるようになるのです。

幼児さんは感覚、感情で生きています
幼児さんは、感覚、感情で、物事を捉えて生きています。やりたくないことは、やりません。
お腹が空けば機嫌が悪くなるし、眠たければぐずりますし、つまらなければ「帰る」と言います。
それでも、3歳〜4歳は、聴覚が飛躍的に発達するので、音感を身につける黄金期です。このタイミングを逃してはもったいない!
感覚、感情で生きている時期だからこそ「ピアノ大好き!音楽大好き!先生大好き!」と思ってもらえれば、その後の生徒さんの可能性が、明らかに変わってきます。

雨の日も、疲れている時も、眠い時も、もっと遊びたい時も。
生徒さんは、がんばってレッスンに来てくれています。
そんな生徒さんに「今日もピアノのレッスンに来てよかった!楽しかった!」と思ってもらえるように…
みやもとピアノ教室の「楽しいレッスンで、音楽を一生ものにする!」ための試行錯誤は、まだまだ続きます!