令和のピアノ男子どう育てる?男の子ママへ伝えたいこと

令和のピアノ男子どう育てる?男の子ママへ伝えたいこと

こんにちは!宮本理恵です。

令和の時代、「ピアノ=女の子の習い事」というイメージはなくなり、当ピアノ教室の生徒の男女比は、5対5!

ある曜日の生徒の男女比、10人中9人が男の子!

「ピアノを習うと頭が良くなる」という情報や、動画などの影響で、男の子のピアノ人口が確実に増えていると感じます。

私は20年ピアノを指導していますが「男の子のピアノ指導は、女の子よりも圧倒的に難しい」と感じます。

実際、保護者さまも、〇歳になったからと言ってピアノ教室に通わせてみたけれど

「うちの子にはまだ早かったのかも‥」と不安になることも多いのではないでしょうか。

男の子にピアノを習わせるのなら、まず「男の子の特性」を理解することが大切です!

男の子のピアノがスムーズにいかない理由

男の子と女の子を比較してみて痛感するのは

男の子は基本的に「話を聞かない」そして「やりたくないことはやらない」タイプが多い!

女の子はコミュニケーション能力が高いので「先生のお話を聞いてね」と声をかければ、こちらを向いてくれます。

男の子は、自分に素直で、本能的な生き物。「話を聞いてね」の声すら耳に入りませんし、興味のないことはやりません!

さらに男の子は、女の子より発達がゆっくりな場合が多いです。

「ピアノを習うなら早い方がいい」とは言いますが「同い年の女の子みたいにスムーズに進まない‥」となるのは、この「男女の発達の差」も大きく影響していると言えます。

ですが男の子は、何かに興味を持った時、とてつもない集中力を発揮します!

ゆるやかに伸びていく女の子とは違い、ある時期、何かをきっかけにぐんぐん伸びていくイメージです

ピアノ講師も保護者さまも、まずはあらゆる手段で男の子に興味を持たせ「ピアノが弾けるとこんなに楽しいのか」と導いてあげることが大切です。

ピアノ男子を伸ばす6つのレッスンの工夫

それでは実際、当ピアノ教室では男の子にどのようなレッスンをしているか、6つ挙げてみました。

① 言葉ではなく音で伝える

男の子は基本的に、説明は聞いてくれませんので、ピアノで良い演奏と悪い演奏の両方を聴かせます。

そして「どっちがカッコいい?」と質問し、競争心を刺激します。

プライドが高いのも男の子の特徴!答えを当てられたら「すごいね!」と大絶賛することも大切です。

② オーバーリアクションで視覚的にアプローチ

男の子は面白いことが大好き!

正しい手の形の弾き方・悪い弾き方を大げさにやって見せると、笑いながら真似してくれます。

本人の演奏動画を見せてあげるとより効果的です!

③ 男の子の好きな世界に置きかえる

例えば指の使い方を「サッカーのドリブル」や「ゲームの操作」に、曲の雰囲気を「好きなキャラクター」に例えるなど。

男の子がイメージしやすい言葉で伝えます。

日頃から、その子が何に興味を持っているのか、情報収集することも大切です。

④ メトロノームで練習をゲーム化する

男の子は競争が大好き!

メトロノームを使って「太鼓の達人みたいに速くできるかな?」と挑戦させます。

♩=130など、明確な目標を立て、遊んでいる感覚で練習でき、集中力もテクニックもアップします!

⑤ リズムうち・音あてゲームなどで自主性と万能感を育てる

男の子は大人しく座っていられませんので、ピアノを弾くこと以外の活動も取り入れています。

その子の得意なことを取り入れれば、自己肯定感が上がり「もっとやりたい!」という意欲を引き出します。

ここで注意したいのは、はじめは「絶対に答えがわかるクイズ」にすること。

男の子はとても繊細なところがあります。

過去には「まさかこんなことで泣くの?」となった苦い思い出もあります。

⑥ 好きな曲をバランスよく取り入れる!

大好きな曲がいっぱいあるのに、ピアノのレッスンは知らない曲ばかりで「つまんない」と思われないよう

「この本が終わったらあの曲、チャレンジしてみようか」と、本人の弾きたい曲をバランスよく取り入れています。

弾きたい曲を渡されると、翌週には驚くほど練習してきたりします。

ここで大切なのは、本人とって大好きな曲なのですから、ボカロでもアニソンでも絶対に否定しないこと!

本人のレベルに合っていない場合、簡単なアレンジ楽譜を探したり、弾きたいところだけカットしたりして、どうにか弾けるようにしてあげましょう!

ピアノ男子がピアノを続けるかどうかは、ママにかかっている!

これまで立派に成長したピアノ男子たちには、「共通点」があります。

それは「ママがピアノを弾けること」ではありません。

ママがわが子のピアノが大好きで、わが子の大ファンであること!

「今日もがんばったね。次の曲、ママも楽しみ」

「コンクール、〇〇なら絶対大丈夫だよ」

レッスン終了後、ママの声かえを聞いていると「子育てが上手だな」と感心してしまいます。

男の子は、ママの笑顔と期待に応えたい一心で頑張る、素直でまっすぐな生き物!

だからこそママには「練習しないのならピアノやめなさい」と叱りつけるのではなく

「いつかママの好きな曲も弾いてほしいな」と、夢を持ってお子さまに接してほしい思います。

令和の時代、ピアノが弾けるということは

レッスン中にピアノの下にもぐったり、弾けなくてメソメソしたり、教室から脱走したり。当教室にも、ピアノどころではない男の子がたくさんいます。

が、そんな男の子が急に、お話が聞けるようになったり、「繰り返しするんですか」と敬語を使い出したり、学校の伴奏オーディションを受けて合格したり‥

気づけば立派なピアノ男子として、ピアノで自己表現できるようになります!

ステージでは、男の子ならではの力強さと、時に繊細な歌い方で、聴く人に感動を与えられるようになるのです!

短期間で結果を求める令和の時代、ピアノが弾けるということは「継続する力、集中力も、記憶力も忍耐力もある」という証拠!

ただし、たった1~2年ピアノを習っただけでは、立派なピアノ男子は育ちません。

保護者さまもどうかここは根気強く、わが子の成長を楽しみながら、ピアノ男子を育ててほしいと願います!

いつか必ずわが子に「ピアノを習わせてくれてありがとう」と言われる日が来るはずです。

ピアノ男子2人の「ピアノやめたい」をどうやって乗り越えたか?