「アラベスク弾きたい」に「まだ早い」はもったいない!
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「アラベスク弾きたい」に「まだ早い」はもったいない!
こんにちは!宮本理恵です。
ブルグミュラーの「アラベスク」というピアノ曲を、知っていますか?
「アラベスク」は、ピアノ初級(小学校低学年〜中学年)の発表会曲として大人気!

教室では、生徒さんが「友達が弾いてたから」「ママが弾いてくれたから」と言って、弾き始めることも多いです。
当教室は、一般的に「まだ早い」と思われる段階から「アラベスク」に挑戦してもらっています!
どうしてかというと‥?令和の時代を見据えた、ある理由があります。
いつになったら「アラベスク」を弾いていいの?
「アラベスク」は、ドイツの作曲家ブルグミュラーが作曲した、25曲の練習曲集の中の、第2曲目です。
ピアノを習い始めて、何冊も教本を修了したあと「やっと」到達できるのが、このブルグミュラー!

何も知らずにピアノを習い出したお子さまや、保護者さまからすると
「すぐに弾けると思ってたのに‥いつになったらアラベスクを弾かせてもらえるの?」
と、悶々としながら、レッスンを続けることになってしまいます。
ブルグミュラーに到達するためにはまず、「バイエル」「オルガンピアノの本」などの教本を、一通り修了させなければなりません。
(修了前にブルグミュラーを併用する先生もいます。)
「教本を一通り修了」するには、順調な生徒さんでも2〜3年、そうでない子は、4〜5年かかってしまう!
のんびり構えているとアラベスクも弾かずに「ピアノをやめる‥」ということになりかねません。

「アラベスク」で良い耳を育て、テクニックを身につけよう
当ピアノ教室は、早い段階から積極的に「アラベスク」を取り入れています。
たしかに、ブルグミュラー25の練習曲集を「全曲」やろうとするとハードルが上がるのですが‥
「アラベスク」一曲だけだったら、ピアノを習って半年でも弾けるからです!

「アラベスク」の各フレーズを切り取って片手で練習することで、幼いうちから良い耳を育て、テクニックを身に付けることができます。
「アラベスク」の16分音符は、5本全ての指をしっかり打鍵、離鍵をしないと、かっこいい演奏はできません。左右どちらもメロディーを弾くので、左手も同様です。
実際に弾かせてみると、だいたいの生徒さんは、音がつぶれたり、リズムが転んだりして「こんなはずじゃなかった‥」ということに気づきます。
かっこいい「ラシドシラ」を弾くために、ひたすら片手で練習することで、自分の音を聴く「よい耳」が育ちます。

1小節ごとの短いフレーズを使って、リズム変奏、スタッカートやアクセントの練習、手首が下がらないよう立って弾く練習など‥
じっくり時間をかけて練習していくことで、テクニックが向上します。
今後、同じようなフレーズが出てきた際、また同じように練習すればいいので、練習の効率も上がります!

先日、アラベスクを弾いて数ヶ月経過した小2の生徒さんが「俺、なんでこんなのが弾けなかったんだろ?」と言いながら弾いてくれました。
自分でも驚くほど良い耳に育ち、テクニックが身についたという証拠です!
発表会はアラベスクを「連弾」でも取り入れよう
後藤ミカさん編曲の連弾「タンゴ・デ・アラベスク」を知っていますか?
この曲は、アラベスクにタンゴの伴奏をつけたもので、最後は、ゴージャスなグリッサンドで終わります。
このアレンジもまた、生徒さんにも保護者さまにも大人気!
発表会が終わると、必ず生徒の数人かは「アラベスク弾きたい」と言って「ラシドシラ」を弾き出してくれます。
生徒のモチベーションを上げるのにもってこいのアレンジです。
小1の生徒さんと保護者さまによる連弾 「タンゴ・デ・アラベスク」(後藤ミカ編曲)
早くから「アラベスク」に挑戦させる、本当の理由
「アラベスク」なんてまだ早い‥
一昔前だったら、ピアノの先生にそう言われて終わりだったかもしれません。
ですが令和を生きる生徒の保護者さまは、ピアノに見切りをつけるのが早いと感じています。
ピアノの本当の素晴らしさを体感しないまま教室を辞めていってしまうのは悲しすぎる。一刻も早く名曲を弾かせてあげなければ!
ピアノ講師が「もっと上手になってから」と言って出し惜しみすると、ある日突然「ピアノやめます」と、言われかねません!

ピアノを弾く喜びを感じてもらえれば「次は〇〇を弾きたい」という意欲を育てることもでき、結果的に、ピアノを長く続けてくれるはずです。
そのためにもまずは、生徒さんが名曲を弾く喜びを味わい、ピアノを好きになること。
せっかくご縁があって出会えた生徒さんに、一刻も早く、ピアノが弾けることの素晴らしさを、体感してほしい。
だからこそ、生徒さんの「アラベスク弾きたい」という気持ちを大切に、レッスンしています。



