ピアノ教室に通うなら自宅のピアノは電子ピアノ?キーボード?

ピアノ教室に通うなら自宅のピアノは電子ピアノ?キーボード?

こんにちは!「みやもとピアノ教室」の宮本理恵です。

今日は、わが子にピアノを習わせたい保護者さま、すでにピアノを習わせている保護者さま、必見!

「自宅にはどんなピアノを用意したらいいの?」という疑問について、ピアノ講師の立場からお答えします。

 今は、音量が調節できる低価格の電子ピアノが主流で、アップライトピアノ(縦型のアコースティックピアノ)は少数派となりました。

ピアノを指導する側としてお願いできるのであれば、もちろん、アコースティックピアノをお勧めいたします!

どうしてアコースティックピアノがいいのか?

アコースティックピアノで練習している生徒さんは、電子ピアノで練習している生徒さんより

●手指の形がフォームになり、ピアノ上達がスムーズになる(悪いフォームになりにくい)

●良い耳が育ち、音のニュアンス、キレのよいスタッカートなど、音楽表現が豊かになる

●ピアノが好きになり、長くピアノを続けている

●一旦レッスンをやめても、ピアノを再開してずっと弾いている

アコースティックピアノは、電子ピアノより美しい音が出るので、弾いていて心地が良い→練習時間も長くなり、結果的に上達するのです!

さらに、上達すればするほど、本人とってピアノが「なくてはならない友達のような存在」になるので、受験や進学で一旦やめても、またピアノを再開し、ピアノを一生ものにできるのです!

アコースティックピアノは寿命が長いので、メンテナンスをしていれば、買い替えしなくてすみます。

実際、生徒さんは親子2代、3代に渡って使うケースも多いです。

いらなくなった場合、国産ピアノは海外でとても人気があるので、高価格で下取りしてもらえます!

逆に、古い電子ピアノは、処分代金がかかってしまいます。

電子ピアノだといけないのか?

電子ピアノだといけないのかというと、もちろんそんなことはありません!

電子ピアノならではのメリットが、たくさんあります。

マンションでも置けますし、引っ越しの際も、普通の荷物と同じように運搬可能。夜中でも弾けますし、低価格。

ではどんなデメリットがあるかというと、全て演奏上の問題です。

●指や手首のフォームが下がりやすい。

●アコースティックピアノで弾いた時、思うように音が出せない。(電子ピアノだと、コンサートグランドピアノの美しいサンプリング音のため、実際よりも上手に聴こえてしまう)

●鍵盤の抵抗、倍音、ペダルの重み、音量、音色など、微妙な差を感じることができない。

●打鍵後の鍵盤のはねかえりが鈍いため、スタッカートの曲や、テンポの速い曲がうまく弾けない。

本人のレベルが上がれば上がるほど、電子ピアノとアコースティックピアノとのギャップに戸惑い、ストレスがかかります。

レッスンに行くと「あれ、家ではもっと上手だったのに…」となってしまうのです。

人間の指先の感覚、聴感覚はとても鋭いものです。

電子ピアノに慣れすぎてしまうのは危険です。なぜなら、発表会など人前で披露するのは、アコースティックピアノでの演奏だからです。

アコースティックと電子の違いは「毛筆」と「筆ペン」

毛筆は、文字の太さ、かすれ、滲み、毛の動きなど、ダイナミック、かつ繊細さで、書く人のエネルギーを表現することができます。

これが筆ペンですとどうでしょうか。トメ、ハネ、ハライはできても、力強さでは明らかに、毛筆に劣ってしまいます。

ピアノを指導する立場としては、まずこのピアノの違いを、理解してもらうことが重要です。

さらに、電子ピアノは家電と同じで、寿命が短い!

電子ピアノを長年使っていると、鍵盤が凹んだまま戻らなくなった、というケースをよく聞きます。

「買い替えはもったいないし、このままレッスンもやめてしまおう」なんて悲しいことは避けてほしい

電子ピアノを購入するのなら、ここだけは守ってほしい!

電子ピアノをご購入するのなら、ここだけは守ってほしいと思うことがあります。

88鍵、鍵盤があること

ペダルが、本体に付いていること

ペダルがピアノと一体化されていないものは、不安定なので、お子様にはお勧めできません。

練習する際は、生のピアノと同じ形態になるよう「音量を小さくしすぎない」「ヘッドフォンで練習しない」ことを心がけるとよいでしょう。

最近は、スマホやヘッドフォン使いすぎで、聴覚に良くない影響が出ていることが問題となっています。

 発表会などの本番前には、レンタルスタジオや、駅ピアノなどアコースティックピアノで練習する機会を作りましょう。

いろいろなアコースティックピアノを弾くことで、本質的なピアノの違いを、指で、耳で、肌で感じることが大切です。

どんな場所、どんなピアノでも、自分自身がそのピアノと環境に合わせ、対応していけるように自分をコントロールしていきましょう。

その場のピアノに合わせて弾くことは、プロ、アマチュア問わず、ピアノを弾く人にとっての宿命です。

キーボードは、弾く「前の段階」で問題が!

私はこれまでに、キーボード(卓上に置いて弾くようなもの)で練習されている生徒さんもレッスンしてきましたが、正直、長く続かなかった…という印象です。

ピアノを習う目的が「音符を読めるようにしてほしい」「簡単な曲を弾けるようにしたい」のであれば、キーボードでもいいと思います。

未来のある幼い生徒さんには、キーボードはおすすめできません。

なぜかというと、まず「キーボードを机に置いて弾く」という作業が、一人ではできないからです。

まず机を片付けなければならないですし、キーボードは重いですし、幼児さんの意志だけでは練習の習慣化はしずらいです。

以前、床にキーボードを置いて、寝そべって弾いている、という幼児さんがいました。

弾きたいのに、いつもキーボードが片付けられてしまい、その上に物が置かれて練習できない、という生徒さんもいました。

キーボードで練習するのであれば

いつでも、よい姿勢で弾けるように、キーボード専用の台を置いておく

ちょうど良い高さの椅子を用意する

この2点はぜひ守っていただきたいと思います。

ピアノを弾く姿勢は、良い音を出す上で、とても大切な要素です。

お願いしたいのは、ピアノを弾く環境づくり

保護者さまにお願いしたいこと。それはお子様の「ピアノを弾く環境づくり」です。

「せっかくピアノを習わせてるのに、家では全然練習しない…」とお悩みの保護者さま。

ご自宅のピアノは、お子様が弾きたいと思ったとき、すぐに弾くことができますか?

寒い部屋、ひとりぼっちの部屋にピアノを置いていませんか?

お子様がレッスンで弾いた曲を、家でも披露したくなるような環境を作り、「ママ聴いて!」に、いつでも対応してあげるのも、立派な環境づくりです。

習いはじめは、続くかわからないからキーボードでいいかと思っても、子供の成長は猛スピードで進んでいきます。

あとになって「せっかくピアノを習わせたのに…」と言って、ピアノに対してマイナスな気持ちを持ってほしくない…

大切なのは「環境」です。ピアノを弾く環境と、少しのサポートがあれば、その後は自分の力でピアノを弾き続けていけるのです。

楽しいレッスンで、音楽を一生ものに!

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