ピアノの先生が所沢駅のストリートピアノを弾いてみた!
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ピアノの先生が所沢駅のストリートピアノを弾いてみた!
こんにちは!宮本理恵です。
私事なのですが先日、人生初!ストリートピアノを弾いてきました。
所沢駅には、9月4日から、グランエミオの2階に、ストリートピアノが設置されました。
生徒さんたちにも、「こんなチャンスはなかなかないから、ぜひ人前で弾いてきてね」と話していました。
約1ヶ月の期間限定らしいので、自分もそのうち行ってみようとは考えていました。(←その後、ピアノが常設されることになりました)
この日は平日の午前中。私は他の用事があったのですが、何気なくふらっと立ち寄ってみました。
シニアのピアノ演奏に勇気をもらって
遠くから聴こえる、ピアノの音‥
近くに行くと、タイトルがわからないのですが、おばさまお一人が、ポピュラー曲を弾かれていました。
ピアノの背後に、ベンチのような座れるスペースがあり、じっくり聴いていたのは10人くらい。
立ち止まって聴く人は、ほんの数名でした。
演奏が終わると、聴いていた人から温かい拍手がもらえます。
次に、お友達と思われるもう一人の女性が、「乙女の祈り」を弾き出しました。
趣味を共有できるお友達と、ストリートピアノにチャレンジだなんてすばらしい!と思いながら聞いていましたが、とても緊張されていたようで、メロディーがわからなくなり、指でさぐってしまいました。
いつもと違う、開放的な空間。ざわついた音。四方を囲む聴衆。刺さる視線‥
こんな所で弾くなんて、緊張するよなぁ‥と共感しつつ聴いていたのですが。
ずっと聴いているうちに、一生懸命弾くお姿に、思わず感動してしまいました。
大人の方は、「私なんて‥」とおっしゃって、なかなか人前でピアノの演奏をしたがらないのに‥なんというチャレンジ精神!なんという勇気!
よし!私も弾いてみよう!
いざ、ストリートピアノを弾いてみた!
一旦用事を済ませ、再びストリートピアノのところに戻ると、順番待ちしている人はいませんでした。
ピアノは、カワイの木目調のアップライトピアノです。
ピアノの背はそれほど高くなく、ピアノの後ろは壁がない。
となると、音のダイナミクスの表現がコントロールしにくいかな‥などとマニアックに考えつつ、名簿に名前を書いて、手指の消毒を行いました。
さあ!何弾こう?
まさか弾くと思ってなかったので、とりあえずエリーゼのために?トルコ行進曲?
ちょっとありきたりすぎると思い、その日の午後にレッスンする、大人の生徒さんの課題曲
ショパンのノクターン作品9ー2
を弾きました。
弾きはじめはよかったのですが、駅の改札の電子音や、ザワザワと聞こえる雑音、通りすがる人、近寄ってくる人、立ち止まる人の空気感を感じ、ジワジワと緊張感が込み上げてきました。
「頼むから最後まで早く終わって!」なんて考えながら、それでも冷静を装い弾いていました。
細かな和音の伴奏は、多少違っていたかも?メロディーもうっかり間違えました‥
ツメの甘い演奏でしたが、演奏が終わると、聴いてくれた方々が温かく拍手をしてくれました。
そのあとは、恥ずかしいので、急いでその場を退散しました。
ピアノの先生が、ストリートピアノを弾いてみた感想
ピアノの先生をしていると、演奏会のホールで、綺麗に着飾って、ライトを浴びて、沈黙の中で、たくさんの注目を浴びて演奏することはあります。
でもこれは、実はとても贅沢な時間であり、空間なのだと通感しました。
荷物を片手に、コートも脱がず、雑音の中で、誰も注目してくれていない状態で弾くというのは、逆の意味で、とても新鮮でした。
そもそも、ストリートピアノは「ピアノの先生」とか、「◯◯音楽大学卒業」とか、肩書きなんてありません。
自由に弾けばいい!自由って、なんて気持ちがいいんだろう!
ピアノを弾いて、こんなに晴れ晴れした気持ちになるのは、なんだか久しぶりでした。
これで、生徒さんたちにも堂々と「先生は弾いてきたよ!だからみんなも、弾いてきてね!」と勧められる。
またふらっと、ストリートピアノを弾きに、所沢駅へ立ち寄ってみようと思います。