大人のピアノレッスン再開!「中級の壁」をのりこえよう!
contents
大人のピアノレッスン再開!「中級の壁」をのりこえよう!
こんにちは!
所沢市小手指にある「みやもとピアノ教室」の宮本理恵です。
コロナ自粛から、ピアノを再開される大人の方が、増えてきています。
ピアノ経験者の方は、いざレッスンとなると「指が前みたいに動かなくて」「楽譜が読めなくて」とおっしゃいます。
けれど、実際に弾いてもらうと、身体が自然に反応して、指が動き出します。
そして、姿勢も美しい!l
小さい頃に身につけたピアノのスキルが、何十年経ったあとでも身についている証拠です。
皆さん、「嫌々ピアノをやっていました」「まじめに弾いてませんでした」などと謙遜しておっしゃるのですが、「幼い頃、ピアノを習っていた」という経験は、実は本当に幸せなこと!
せっかく身につけたピアノのスキル、そのままにしておくのは、もったいない!
一度身についたピアノのスキルは、一生もの!
レッスンを再開される方のレベルは、人それぞれではありますが、だいたい小学生までピアノを習っていた経験者は
楽譜を読んで、その音に指を準備することができる
指番号を見て、正しい指を動かすことができる
2拍子、3拍子など意識して、拍子に乗って弾くことができる
これらの基礎が、しっかり身についている‥と感じます。
ピアノ初心者にとって、この一連の作業をこなすのは、実はとても難しいもの。
逆に、この作業を当たり前のことのように感じた人は、基礎ができています!レベルで言うと、ソナチネレベルでしょうか。
弾いてみたい憧れの曲をご本人にうかがうと、ショパンの「ノクターン」だったり、ドビュッシーの「アラベスク」だったり‥
実は、ソナチネレベルから、これらの「憧れの曲」に挑戦するには、大きな「中級の壁」が存在します。
これまで弾いてきた曲と、弾きたい曲の「作曲された時代が違う」のです。
時代が違うと、何が違うか?それは、ピアノ自体が改良され、進化したのです!
ソナチネが作曲された古典派から、ロマン派のショパン、ドビュッシーの印象派までとなると、100年〜200年も違う!
この間に、ピアノも進化していきました。
抵抗感のあるタッチになり、音の質が変わり、鍵盤数が増え、ペダルが付き、音量の幅が拡がりました。
作曲家も、改良されたピアノに合わせて、作曲していきました。
これまで使用できなかった低音や高音、ペダル指示や、音楽表現、強弱の指示など。
より細かい音楽表現の指示が、楽譜に書かれるようになっていったのです。
だからこそ、バイエルからソナチネを弾いてきた方が、いざ、ショパンやドビュッシーの楽譜を見ると、楽譜にある、複雑でごちゃごちゃした表記に、驚くのではないでしょうか?
レベルアップするためには、時代背景を踏まえ、新たな心持ちで始める必要があります。これぞ、中級の壁!そして、レベルアップの証!
ソナチネまでのピアノ経験者が感じる「中級の壁」とは
「ソナチネ経験者の方が、大人になって初めて、ロマン派以降のピアノ作品(ショパンやドビュッシー)にチャレンジする」と想定します。
いったいどんなことで「壁」を感じるのでしょうか?そこには6つの「壁」が存在します。
①調号
バイエルやソナチネでは、付いてても2〜3個だったシャープやフラットが、4〜5個は当たり前!この壁をのりこえるためには、音階練習で、さまざまな調に慣れていくしかありません。
「ハノンピアノ教本」を使って、まずは24調の音階をマスターしましょう。24調もありますが、パターンが決まっているので、そこまで大変ではありません。
逆に、この24調全てをマスターすれば、もうシャープやフラットに惑わされることはないのです!
②左手の伴奏
ソナチネは、基本の和音で、ドソミソ‥とかドミソドミソ‥というように、左手の伴奏パターンが決まっているものが多かったはず。
ロマン派以降は、和音の種類が増えて、非常に複雑になります。
音域が広がり、左手の伴奏も右手のメロディーも、あちこちに跳躍します。
流れるようなアルペジオ(分散和音)も多くなります。
これは、曲をたくさんこなしていくと、その作曲家の好きな和音や、伴奏パターンが掴めてくるようになります。ここまで来れば、もう上級の域!
③リズムの複雑化
拍子に乗って、リズムもきっちりとわかりやすくタテ割りに作曲されていた、ソナチネ。
ロマン派以降はどうなるかというと、たとえば1拍の中に、右手が4連符、左手が3連符というように、リズムが非常に曖昧で、掴みにくくなります。
これを克服するには
●お手本演奏を聴いて、正しいリズムのイメージをしっかりと持つこと
●自分の演奏を、録画したり録音したりして、客観的に聴くこと
●メトロノームを使った機械的な反復練習
頭であれこれと考えながら弾くと、不自然なリズムになってしまいます。まずはたくさんの模範演奏を聴いて、正しい音楽のイメージをしっかりと持ちましょう。
④テンポ感
ソナチネは、テンポを揺らして弾く指示などは、めったにありませんでした。
ところがロマン派、印象派の作品は、全てメトロノームに合わせて仕上げてしまうと、逆に、不自然でおかしな感じなります。
やりすぎはよくないのですが、テンポ・ルバート(自由に)が大切です。
ただしルバートしすぎると、ただの自己満足の演奏になってしまいます。これを防ぐためには、常に自分の演奏を録音して、客観的に聴いてみましょう。
⑤楽譜の指示の多様化
ロマン派以降は、曲想の指示である楽語が、ドイツ語だったりフランス語だったりしますが、これはインターネットで調べられるので解決できます。
もう一つ、アクセントやスラー、テヌート、メゾスタッカートなど、音楽表現の指示が多くなり、ゴチャゴチャした楽譜になっています。忠実に、楽譜の指示を守って弾きましょう!
作曲家がどうしてこの記号を付けたのか?記号には一つ一つ、意味があります。
元気な音、悲しい音、重い音?
具体的にどんな音を要求されているのか?一音一音、イマジネーションを膨らませながら、音楽表現を作り上げていきましょう!表現力こそがロマン派、印象派の醍醐味です!
⑥最大の難関は、ペダル!
ソナチネまでのご経験ですと、ペダルはあまり使わなかった、という方が多いかもしれません。
ペダルを使ってこそ、ピアノの音色の美しさが、最大限に発揮されます。
だからこそ、たとえ遊び弾きであっても、幼い時からペダルを使った響きを感じてほしい、と思います。
ペダルに関しては、最も指導が難しいところです。なぜなら、明確に「ここで踏んでここで放す!」と言い切れないからです。
もちろん楽譜には、ペダルを踏む記号、放す記号(※マーク)がついていますが、この表記が、実に曖昧で、楽譜によっても全然違う!
ぜひ一度、出版社の異なる楽譜で、弾きたい曲をじっくりと見比べてみてください。指づかいもスラーもペダルも違っていて、新しい発見があり、とても勉強になります。
もともと楽譜は、何百年も前に手書きで書かれたものを、校正したものです。コピーなんてない時代ですから、原譜を書き写す際のミスもあったでしょう。
しかも、当時のピアノを使用して作曲されているのですから、現代のピアノとは、残響が異なります。
さらに、どんなテンポで、音量で弾くかによっても、ペダルの踏み方は違ってきます。
少し踏むのか、半分くらい踏むのか、思いっきり踏むのか‥
ペダル自体の微妙なコントロールまでは、楽譜に書いていません。ペダルを使用する演奏者次第ということです。それほどにペダルは、非常に繊細で、感覚的なテクニックなのです。
強いて言うなら「ペダルは、耳で踏む」。曖昧な表現ですが、どの音を響かせたいのか、美しいかどうかを、常に自分の耳で確認しながら踏みましょう。
難しく考えずに、美しい響きを見つけるために、まずはペダルを使ってみましょう!
もちろん、音が濁ることもありますが、タイミングよく踏めた時は、「あ、きれいに踏めた!」と実感できます。自ら奏でた豊かな響きに、きっと感動するはずです。
大人になった今こそ、憧れの曲にチャレンジ!
大人になった今こそ、憧れの曲に、チャレンジしませんか?
限られた時間の中で、弾きたかった憧れの曲を、いかにして自分のものにしていくか‥
大人のピアノは、子供の頃のような感覚や感情に頼った練習とは違い、一から計画的、効率的に構築していく、大人ならではの楽しさがあります。
音楽の世界がますます広がり、より深く、ピアノを楽しんでもらえるはずです。
「エリーゼのために」から再開した生徒さんは、「きらきら星変奏曲」「悲愴ソナタ」「子犬のワルツ」「ノクターン」など、憧れの曲をどんどん弾けるようになっています。
また、子供の頃、クラシックばかりで嫌だった‥という方は、今、米津玄師のヒット曲を弾いています。
ピアノの上達への近道。それは、誰かに聴いてもらうこと!
大人のピアノレッスンは、月2回30分レッスンで、オンラインや振替レッスンにも対応しています。
「いつか弾きたい」を今に!
「中級の壁」を乗り越えたAさん。ピアノの魅力にますます取り憑かれ、ヨーロッパ製のピアノを購入!ところが…