大人のピアノ再開!アップライトに買い替えたら全然弾けない?

大人のピアノ再開!アップライトに買い替えたら全然弾けない?

こんにちは!宮本理恵です。

コロナ禍による大人のピアノ再開や、ショパン国際ピアノコンクールの日本人の活躍で、ますます盛り上がるピアノ業界!

今、ピアノを再開する大人が増えてきています。

二児の母であるAさんもその一人。

Aさんは、お子様にピアノを習わせているうちに、自分も弾きたくなったそう。

お子様の教室は、大人は受け入れてなかったそうで、こちらにいらっしゃいました。

大人になった今こそ、思いっきり弾きたい曲にチャレンジしましょう!

レッスンでは、これまでに「エリーゼのために,」「きらきら星変奏曲」「トロイメライ」「悲愴ソナタ」「子犬のワルツ」など、子供の頃から弾きたかった曲を、次々に楽しんできました。

Aさんは、いよいよ目標の曲、ショパンのノクターン作品9-2に挑戦!

メロディーと伴奏のバランス、フレーズ、ペダル、多様な和音、歌い方。

一つ一つ丁寧に,解説、解釈しながら、レッスンを進めてきました。

Aさんは、これまで以上にピアノと向き合っているうちに、堪えきれなくなったのでしょう。

ピアノが好き!もっと上手に弾けるようになりたい!もっといいピアノがほしい!

ご主人がペトロフのピアノを奥様にプレゼント!

先日のレッスンで、Aさんから驚きの発言を受けました。

「実は、夫がアップライトピアノを買ってくれたんです。メーカーはペトロフです。だから、ピアノがんばらなきゃ」

アップライトピアノとは、コンサートホールにあるような横に長いグランドピアノではなく、背の高い縦型のピアノです。

ペトロフは、チェコのピアノで、輸入ピアノの中では比較的購入しやすい価格なので人気があります。

ヤマハでもカワイでもなく、あえてペトロフにしたとは!

それまでAさんは、立派なハイブリッドピアノで練習していました。

ハイブリッドピアノは、アコースティックピアノの音の鳴らし方を残しつつも、消音機能が付いていているという、優れもの!

電子ピアノと生のピアノの良いところ、両方を持っているようですが、実際は、どうしても電子ピアノに近いようで、

「低音の、ズン、ていう響きが違うんです…」とおっしゃっていました。

ピアノは、自分の指で、鍵盤の重みや抵抗をリアルに感じながら、鍵盤を下におろします。

ハンマーが持ち上がり、ピアノの弦を叩き、他の弦が共鳴しあって、豊かな響きが広がります。

このリアルな重みと響きは、ハイブリッドピアノでも、限界があるのでしょう。

「私、全然弾けていませんでした」その理由

念願のアップライトピアノがご自宅に届き、さぞや楽しい毎日を送っているはずと思っていましたが、Aさんはレッスンで

「私、全然弾けていませんでした。左手の和音が、鳴ってないんです。」

「ペダル踏みかえると、ガタンガタン、音が鳴るんです。」

と嘆き出しました。

これぞアコースティックピアノ!良いピアノを持つことが、上達への近道です!

これまでは、ハイブリッドピアノが、どんな弱いタッチでも、整音された美しいサンプリング音を出してくれていたということです。

ところがアコースティックピアノは、そうはいかない。

指先に神経を集中し、自分でコントロールして打鍵しなければ、出したい音は鳴らないのです。

しかも、良い音も出れば、悪い音も出る!

さらにAさんは続けて

「ペダルは、どこまで踏みこんだらいいですか?上げる時は完全にあげるんですか?」

と、ペダルに関しても、ハイブリッドピアノとの違いを痛感しているようでした。

ペダルは、ピアノによって、重みや、効き具合、ペダルの付いている高さまで、微妙に違います。

そして、ここが1番の問題かと思うのですが、電子ピアノやハイブリッドピアノのペダルは、アコースティックピアノのペダルより、美しく聴こえてしまう!

家では美しくペダリングしていたのに、本物ピアノで弾いてみたら、濁って聴こえるということ!

ペダルは、そのピアノに合わせて、耳で聴き、足でコントロールしなければなりません。

だから「ここで踏んでここで離して」とは言い切れないのです。

Aさんに一つ一つご説明していきましたが、腑に落ちないご様子でしたので、私も実際にペダルを使って弾いてみました。するとAさんは

「ガタンガタン音がしない‥」と、驚いたご様子でした。

Aさんはもう、中級から上級になるレベル。ここまできたら、ペダルを踏む「足の感覚」と、濁っていないかどうかを聴き分ける「耳」を鍛えるしかありません。

たくさんの作曲家の作品を弾くこと。

さまざまなピアノを弾いてみること。

良い演奏を聴いて自分の耳を育てること。

これを積み重ねていけば、ペダルも、まるで指先を使うかのようにコントロールできるようになるのです。

こんな世界があるとは思いませんでした

たくさんの課題が見えてきてAさんは、落ち込むどころか、ワクワクしたご様子で、帰り際に

「こんな世界があるとは思いませんでした。」

と、素敵な一言を残していかれました。

ピアノが弾けるというスキルは一生もの。Aさんのピアノ人生は、まだ始まったばかりです!

みやもとピアノ教室は、大人のピアノ再開を、応援しています!

子供の頃、弾きたかった憧れのピアノ曲。今こそチャレンジしてみませんか?

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