忘れられない、4歳さんとの3回限定ピアノレッスン
忘れられない、4歳さんとの3回限定ピアノレッスン
こんにちは!宮本理恵です。
数年前のことですが「1ヶ月間3回だけ、娘にピアノレッスンをしてほしい…」ということでご入会された生徒さんがいました。
そのご家族は海外に住んでいて、一か月だけ日本に帰国したそう。
帰国して数日の、人見知りの4歳の女の子。しかも、日本語はあまり得意ではないそうです。
さらに、帰国先のお宅にはピアノがないそうで、練習も復習もできません。
これは難題‥私に一体、どんなピアノレッスンができるのか?
けれどその後、お母様にお話を伺うと、私のやるべきことが明確になってきました。
「これまで私がドレミを教えてました。でも、ピアノをどう教えていいかわからないんです。海外は、もっと大きくなってからじゃないと、ピアノのレッスンは受けられなくて。」
ということは、あと数年は、お母様がピアノを教えるということ‥
ならば、音楽で1番大切なことをしましょう!
ピアノの前に座らせて、これがドで、手はこの形で、これが1の指で‥なんて、ピアノを教え込まないピアノレッスンをしました!
小学生ならともかく、4歳のAちゃんはまだ、感覚、感情で物事を感じ、捉えている幼児さんです。
幼児さんに、ひたすらドを弾いて‥なんていう退屈なピアノとの出会いでは、きっとピアノは長続きしないでしょう。
実際のレッスンでは、とにかく音楽遊びをして、楽しいレッスンを目指しました。
♪鍵盤で山のぼり競走(鍵盤上の音の高低認識させます)
♪ピアノでたいこごっこ(音の大小を経験します)
♪リズムでまねっこ遊び(リズム模倣、リズムパターンを記憶して再現します)
♪音当てクイズ(音感を身につけます)
遊びの中に、たくさんの音楽の基礎的な要素を詰めこみした。
Aちゃんに「ピアノって楽しい!」と純粋に思ってほしかったのです。
レッスンのあと、Aちゃんは「ピアノが弾きたい」とお母様にお願いし、お母様は近くの楽器店へ行き、鍵盤ハーモニカを買ってあげたそうです。
Aちゃんは鍵盤ハーモニカで、レッスンでやったことを再現して、今度は「先生に聴かせたい」と言い‥
次のレッスンでは、鍵盤ハーモニカを持ってきて、前回一緒に遊んだ曲「ひげじいさん」を演奏してくれました。
こうして、3回限定のピアノレッスンは終了。しばらくしてから、エアメールが届きました。
Aちゃんからは
みやもとせんせい また にほんにいって ピアノひきたいです
そしてお母様からは
本人にとって、人生初のピアノとの出会いが先生のレッスンだったことに感謝しています。これからも、音楽を楽しむことを大切にしていきたいです。
と、大変嬉しいお言葉をいただきました。
「どうにかして、生徒の皆様が、音楽を一生ものにできないだろうか?」
長年ピアノ講師をしていても、日々どのようなレッスンをすべきか、悩むことがあります。
昔からよく言いますが、「好きこそものの上手なれ」はまさにその通りだと思います。
だからこそ、幼児さんのレッスンは「ピアノはこんなにも楽しいものなのだ」と体感してもらえるよう、レッスンしています。