忘れられない、4歳さんとの3回限定ピアノレッスン
忘れられない、4歳さんとの3回限定ピアノレッスン
こんにちは!みやもとピアノ教室の宮本理恵です。
数年前のことですが「1ヶ月間3回だけ、娘にピアノレッスンをしてほしい…」ということでご入会された生徒さんがいました。
そのご家族はストックホルムに住んでいて、一か月だけ日本に帰国したそうで、その期間だけピアノのレッスンしてほしいとのこと。
帰国して数日の、人見知りの4歳の女の子。しかも、日本語はあまり得意ではないそうです。
さらに、帰国先のお宅にはピアノがないそうで、練習も復習も、できません。
これは難題‥私に一体、どんなピアノレッスンができるのか?

けれどその後、お母様にお話を伺うと、私のやるべきことが明確になってきました。
「これまで私がドレミを教えてました。でも、ピアノをどう教えていいかわからないんです。ストックホルムでは、もっと大きくなってからじゃないと、ピアノのレッスンは受けられなくて。」
ということは、あと数年は、お母様がピアノを教えるということ‥
ならば、音楽で1番大切なことをしましょう!
私がレッスンでしたことは、まずピアノの前に座らせて、これがドで、手はこの形で、これが1の指で‥なんて。
とにかく、ピアノを教え込まないこと!

小学生ならともかく、4歳のAちゃんはまだ、感覚、感情で物事を感じ、捉えている幼児さんです。
こんな幼い幼児さんに、ひたすらドを弾いて‥なんていう退屈なピアノとの出会いでは、きっとピアノは長続きしないでしょう。
さあ!一緒にピアノを楽しもう!
実際のレッスンでは、たくさん、ピアノを弾いて歌って、動いて遊んで…Aちゃんと思いっきり音楽遊びをしました。
♪鍵盤で山のぼり競走(鍵盤上の音の高低認識させます)
♪ピアノでたいこごっこ(音の大小を経験します)
♪リズムでまねっこ遊び(リズム模倣、リズムパターンを記憶して再現します)
♪音当てクイズ(音感を身につけます)
遊びの中に、たくさんの音楽の基礎的な要素を詰めこみした。
Aちゃんに「ピアノって楽しい!」と純粋に思ってほしかったのです。
そして、Aちゃんがピアノを楽しんでいる姿を、お母様に示したかった。

レッスンのあと、Aちゃんは「ピアノが弾きたい」とお母様にお願いし、お母様は近くの楽器店へ行き、鍵盤ハーモニカを買ってあげたそうです。
そして、Aちゃんは鍵盤ハーモニカで、レッスンでやったことを再現して、今度は「先生に聴かせたい」と言い‥
次のレッスンでは、鍵盤ハーモニカを持ってきて、前回一緒に遊んだ曲「ひげじいさん」を演奏してくれました。
こうして、3回限定のピアノレッスンは終了。
しばらくしてから、ストックホルムからエアメールが届きました。

Aちゃんからは
みやもとせんせい また にほんにいって ピアノひきたいです
そしてお母様からは
本人にとって、人生初のピアノとの出会いが先生のレッスンだったことに感謝しています。これからも、音楽を楽しむことを大切にしていきたいです。
と、大変嬉しいお言葉をいただきました。

ピアノ講師をしていると、どのようなレッスンをすべきか、多々悩むことがありますが、そんな時はいつも、Aちゃんとの限定レッスンのことを思い出しています。
このエアメールは、これからも、大切な私の宝物です。
今日も楽しいレッスンで、音楽を一生ものに!
みやもとピアノ教室の、詳しいレッスン内容は、各コースからどうぞ!