カワイ音楽教室のピアノ講師を辞めました
カワイ音楽教室のピアノ講師を辞めました
こんにちは!宮本理恵です。
この春、ピアノ講師として16年勤めてきた、カワイ音楽教室を退職しました。
それまでは、ずっとカワイで講師を続けながら、いつか自宅でもピアノ教室ができたらいいな…とぼんやり考えている程度で、何一つ行動には移していませんでした。
考え方が一気に変わったのは、2年前の、新型コロナウィルスによる影響です。
2020年、緊急事態宣言により、レッスンが約3ヶ月間、休講になりました。
個人のピアノ教室が、オンラインレッスンに切り替えてレッスンを継続している中、私は生徒さんへ、何にもアプローチすることができませんでした。
私の仕事は、生徒さんに、長引くレッスン休講の連絡をすることだけ。
もどかしい気持ちでしたが、ここは会社の方針ですから、我慢するしかありません。
今は、家族との時間を大切にしよう。
気持ちを切り替えて、娘とお菓子を作ったり、自転車に乗ったりして、一日中娘と遊んで過ごしていました。
これでいいのかな‥と自問自答と日々でした。
今こそリトミックをやらなければ!
緊急事態宣言が解除されたからといって、急には元に戻りませんでした。
私が担当していたカワイのグループレッスンや、リトミックのレッスンは、「感染リスクが高い」ということで、なくなってしまったのです。
音楽ですから、密閉空間でのレッスンとなるので、これも仕方のないことです。
けれど私は思いました。
五感から刺激を受けて成長していく、乳幼児期。「コロナが治まるまでは…」なんて言ってたら、乳幼児さんはあっという間に、脳の神経細胞が密になる大切な臨界期を、逃してしまう!
リトミックがやりたい!むしろこんなときだからこそ、リトミックをやらなければ!
このような経緯から、所沢市小手指の自宅でピアノ教室を、翌年には所沢駅近くのスタジオで、リトミック教室をオープンしました。
カワイでの指導経験こそありましたが、地元のツテもなければ、集客や経営など、全くわかりません。
ゼロからの集客のため、ameblo、ホームページ、チラシのポスティングもやりました。
以前から興味があった、幼児教育の分野から「ピアノdeクボタメソッド」の資格を取り、「日本子ども教育センター」のリトミック2ndステップの講座を受講しました。
40年以上生きてきましたが、1年間でこんなに賞状を貰えたのは、人生初かもしれません。
今こそピアノの発表会をやらなければ!
コロナ禍の6月。自宅教室の生徒の人数は片手程度、リトミック教室も開講していない状況でした。
それでも、今いる生徒さんにステージを用意してあげたい‥
所沢文化センターミューズホールの抽選会の下見に行き、一年後のホール予約を取ってしまいました。
その日は、なんとなく下見に行ったのですが、ホールの方に「6月4日が空いてます」と言われて、これは運命なのでは?と思い、予約してしまいました。
一年後にはもっと生徒さんが増えている。いや、もっと増やさなければと覚悟して。
便利な世の中ですから、オンラインで動画配信という手もあったでしょう。
けれど、映画館で映画を観ると、テレビとは一味違うように。
ホールでの音の響きや緊張感、鳥肌が立つような感覚は、動画では体感できないのです。
コロナ禍で規制が多く、不自由な思いをしている生徒さんたちにも「本物」を体感してほしい。そんな使命感で、いっぱいだったのです。
来月、いよいよそのピアノの発表会を開催することになりました。
ピアノを習ってまだ一年足らずの生徒さんばかりで、しかも初ステージなので、まだまだです。
大きなステージでスポットライトを浴びて、大勢の前でマスクをとって、これまで積み重ねてきたピアノを演奏する‥。
生徒さんたちが発表会を経験することで、音楽的にも人間的にも、大きく成長してくれることを願っています。
カワイ音楽教室、最後のピアノレッスンの日
カワイの生徒さんたちに、退職することを伝えた後の残りの1ヶ月。生徒さんとのレッスンの時間は、私にとって、本当に貴重な時間でした。
最後のレッスンでは、生徒さんたちからたくさんの手紙やプレゼントをいただきました。
生徒さんが描いてくれた素敵な絵ももらいました。
絵をくれたAちゃんのお手紙の最後には「先生も、お家でのレッスンがんばってください」と締めくくってありました。
応援してくれるAちゃんのためにも。
長い間ついてきてくれた、カワイの生徒さんたちのためにも。
生徒の皆様が、音楽を一生ものにできるよう、今日も全力でレッスンしています。