３歳でピアノを習うなら個人かグループレッスンか？
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３歳でピアノを習うなら個人かグループレッスンか？
こんにちは！宮本理恵です。
みやもとピアノ教室には現在、３歳の生徒さんたちがたくさん通っています。
２歳でピアノの個人レッスンを始めた生徒さんも、リトミック→ピアノの個人レッスンに切り替えた生徒さんも、ずっとグループレッスンを継続されている生徒さんもいます。
今回は、３歳前後のお子さまに、ピアノ教室を検討されている保護者さまへ。
ピアノ教室選びのポイントや、個人レッスン、グループレッスンそれぞれのメリットをご紹介します！
ピアノを習う前に確認してほしい３歳さんの発達段階
私は、３歳の生徒さんをレッスンしていますが、発達段階は本当に人それぞれ。男女差の違いもあります。
たとえば、机に出した５個のスポンジボールを、３歳さんに「何個ある？」と聞いたとします。
数を数えてきちんと「５」と言える子もいれば、一度数えたボールを、もう一回数えて「６」という子もいます。
これは、脳のワーキングメモリ（短期記憶）がまだ育っていないと考えられます。ピアノは、記憶した音を再現するため、ある程度ワーキングメモリが育っていた方がレッスンがスムーズに進みます。
「イチニイサン‥」と言うことはできても、実際の数と違っていることもあり、数字は、読めるものと読めないものがあったりします。
問いかけに答えず、スポンジボールで遊びだす子もいます。
この場合は「自己コントロール能力」がまだ育っていないので、レッスンはまだ早いかもしれません。
クレヨンで絵を描かせてみると、しっかりとした筆圧で描ける子と、そうでない子もいますので、指先の発達段階も知ることができます。
ジャンケンをしてみれば、チョキができる子とそうでない子もいます。
「指先を器用に動かせるかどうか」と「数の認識」は、ピアノのレッスンに大きく関わってくることです。
指の未発達な３歳さんに、何度もピアノを弾かせるようなレッスンでは、身体的にも精神的にも無理が生じてしまいます。
また、数の認識があいまいな３歳さんに「これは４つでしょ」「３番の指って書いてあるから」などと説明しても伝わらないのです。
保護者さまも「３歳から入れる教室だから」「お友達が通っているから」と焦ることなく、ここは冷静に
お子さまの発達段階に合わせたレッスンをしてくれる、ピアノ教室を選びましょう。そしてお子さまがレッスンを楽しんでいるかも大切なポイントです。
保護者さまも必ず体験レッスンに立ち合い、お子さまと先生の様子をじっくり観察してみてください。
３歳のピアノレッスン、個人とグループどっちがいい？
「うちの子は、グループと個人とグループ、どちらが合いますか？」
保護者さまからよく聞かれるのが、この質問です。
これは正直「実際にやってみないとわからない」のですが、個人とグループ、どちらにもメリットとデメリットがあります。
ピアノの個人レッスンのメリット「カスタマイズ」
ピアノの個人レッスンのメリットは、その子に合わせたレッスンをしてもらえるということ！
たとえば、Aちゃんは、指先を使うのが苦手ですが、歌が得意で、ひらがなが読めます。
→レッスンでは楽譜を導入して、ソルフェージュに力を入れます。
Bちゃんは、繊細なところがあり、初めてのことになかなかチャレンジできません。
→まずはBちゃんの得意なこと、知っている曲を扱い、気持ちをのせてから次の課題へと結びつけます。
このように、個人レッスンなら、その子の発達や好み、性格に合わせることができます。
ここまで書くと個人レッスンが最適のようですが、実はデメリットもあります。
ピアノのレッスンは、他の習い事と違って、先生と一対一。
３歳児にとって、ピアノレッスンが大きなプレッシャーとなってしまうのです。
レッスンはだいたい幼稚園や保育園のあとですから、お腹が空いていたり、疲れていたりしています。
そんな中ピアノ教室に連れていかれ、ママや先生から「ちゃんとお話聞いて！」なんて言われたら「ピアノ嫌い」になりかねません。
３歳からピアノの個人レッスンに通うのであれば、うまくできない日があっても「こんな日もあるよね‥」と思えるような心のゆとりを持ってあげてほしいです。
グループレッスンのメリット「楽しい」
みんなで音楽に合わせてボールを回したり、リズム活動したり。
グループレッスンの最大のメリットは、みんなでやるから楽しいということ！
しかも先生と一対一ではないので、お子さまにとって、ちょうどよい「逃げ場」があります。苦手なこと、気がのらないことは知らんぷりしていても、他の子がやってくれたりします。
お友達がやっているのを見て「楽しそうだからやってみよう」とか「負けたくないからがんばろう」と思えます。
グループレッスンでしか味わえない「楽しさ」と、お友達同士の「相乗効果」があるのです。
デメリットとしては「カスタマイズできないこと」と「個人ほど講師の目が行き届かない」ということ。
グループレッスンは、平均的なレベルで進めることが多いので、よくできる子には物足りない内容になり、そうでない子には、背伸びさせてしまうことになります。
また、指導する立場からすると、グループレッスンだとどうしても「その子ができているか」細部まで把握できないこともあります。
保護者さまは、ピアノレッスンを通じて、お子さまにどうなってほしいですか？
それをよく考慮した上で、個人とグループどちらも体験してみて、ご本人の様子をしっかりと観察しましょう。
個人もグループも楽しそうに参加できていたら、どちらも正解で、大丈夫なのです。
「グループだとずっと輪に中に入れない」「ずっと緊張状態が続く」ような３歳さんの場合は、無理させず、個人レッスンがおすすめです。
３歳のピアノは「種を蒔く時期」と割り切って
いざピアノ教室に通い出しても、まだ３歳ですから、すぐに楽譜は読めませんし、いきなり両手では弾けません。
保護者さまにとって３歳さんのピアノ教室は、連れて行くのが大変なだけで、じれったい気持ちになるのではないでしょうか？
けれどここで、お伝えしたいことがあります。
そもそもピアノは、大人の身体に合わせて作られた楽器。３歳児にとってピアノの鍵盤は、大人の１.６倍の大きさに感じます！
大きくて硬いスイッチに、指を押し込むイメージです。うまく弾けなくて当然です。
３歳さんにとって大切なのは、「ピアノを弾くこと」よりも「この時期にしか身につかない、音感やリズム感を磨くことと、音楽が好きという気持ちを育むこと」
３歳は、脳の神経細胞が最も発達する時期。このタイミングを逃さず、大人が良い方向に導いてあげれば、音感やリズム感だけでなく、集中力や記憶力も身につきます。
練習を積み重ね、難しい曲も弾けるようになれば、練習の大切さや達成感を味わい、やがてはピアノが、その子の「生き抜く力」に結びついていきます。
３歳さんのピアノは、まだ種を蒔く時期。ここは焦らずどうか長い目で‥
やがてたくさん芽が出てきて、数年後には、たくさんの「音楽の花」を咲かせてくれるはずです。
