ピアノはいつまで習い続けたらいい?ピアノ教室をやめる時
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ピアノはいつまで習い続けたらいい?ピアノ教室をやめる時
こんにちは!みやもとピアノ教室の宮本理恵です。
コロナ禍により繰り返される、緊急事態宣言や蔓延防止対策。
その影響で、ピアノを再開する大人が増えて、電子ピアノは品薄状態なんだそうですが、その一方で‥
コロナ禍によるレッスンや学校の休校から、なんとなく、そのままピアノ教室をやめてしまった、という人も、たくさんいるのではないでしょうか?
今日は、いつかはやってくる「ピアノレッスンのやめ時」について書こうと思います。
ピアノレッスンのやめ時 中1、中3、小4の壁
一般的に、生徒さんがピアノ教室をやめるタイミングとして多いのは、中学校、高校、大学などの、進学の前後のタイミングです。
細かく時期を考えてみると
部活やテスト勉強が忙しくなり、レッスン継続が難しくなる、中1の春
部活やテスト勉強を乗り換えたとしても、高校受験のために勉強に集中する、中3の夏
それともう一つのタイミングは、中学受験で塾が本格的になる、小3の2月。小4になる前!
中学受験のためにピアノ教室をやめた生徒さんは、受験が終わると再開するケースも多いようです。
これらの壁は、生徒さんの大切な進路に関わることなので、仕方のないこと、
ピアノを教える立場からすると、この壁の前までには、ある程度のスキルを身につけさせなければなりません。
だからこそ、日々のレッスンの積み重ねがとても大切。
計画も目標もなく、ただレッスンをこなしていると、数年経っても「何にも身についていなかった」ということになりかねません。
「いつまでに、どのレベルまでピアノを弾けるようになりたいのか」
早いうちから保護者さまと意見を擦り合わせ、目標を明確にして、計画的にレッスンを進める必要があります。
幼児期では早すぎる!ピアノに向いている、向いていない
多くはありませんが、幼児期にピアノ教室をやめてしまった‥というケースも聞きます。
これは正直、早すぎるなと感じます。
本当にピアノを好きになるのは、たくさんの音楽を聴いて、弾いて、感動体験をしてからこそ!
やめる理由も人それぞれだと思いますが、ピアノに向いている、向いてないは、幼児期ではまだ判断できません。
もちろん、幼児さんは正直ですから「レッスンに行きたくない」と言うこともあるでしょう。
でも、レッスンに行きたくない理由は「面倒くさい」「もっと遊びたい」「眠い‥」というような理由ではないでしょうか。
ピアノ教室に着いて、楽しく過ごしているようでしたら、保護者さまも、ぐっと我慢して乗り越えてほしいなと思います。
ただ、教室に着いても楽しそうではなく、ずっと「行きたくない」と言う場合。
幼児さんは感覚で生きていますから、言葉では伝えにくいような抵抗を感じているのかもしれません。
そういう場合は、気分を変えて、他の教室の体験レッスンを受けてみるのも良いと思います。
たとえ教室が変わっても、どうかピアノは続けさせてほしいと思います。
小学校低学年で「ピアノをやめます」と言う前に確認したいこと
小学校低学年でピアノをやめてしまったというケースもよく聞きます。
この時期にやめる理由として多いのは「練習しないからやめる」「向いてないからやめる」という理由です。
ピアノを指導する立場として、どうか「レッスンをやめます」と言う前に‥
保護者さまに確認したいことが3つあります。
①ピアノの発表会に参加しましたか?
ピアノは、誰かに聴いてもらってこそ、本当の意義、喜びがあります。
「発表会」という目標があれば、誰もが必ず練習し出します。そして、実際に本番を経験することで、達成感や満足感を味わい「ピアノをやっていてよかった」「もっと上達したい」というモチベーションにつながるのです。
②普段からピアノ教室を休みがちではないですか?
一般的に、教室を休みがちな生徒さんは、レッスンも長続きしないように感じます。
ピアノのレッスンの優先順位が低いと、家でのピアノの練習の優先順位も低くなります。そうなると、ピアノの上達が遅くなり、結果的に
「他の人より進みが遅い」→「ピアノに向いてないからやめる」という、悲しい結果を招いてしまいます。
③ご自宅にピアノはありますか?キーボードではないですか?
実は、保護者さまがどれだけ「ピアノが弾けるようになってほしい」と考えているかの「本気度」が、お子様に大きな影響を与えています。
ピアノ教室で、響きの豊かなグランドピアノを弾くことができても、家では、鍵盤の少ない卓上キーボードだったりしたら、ピアノを練習する気持ちが失せてしまいます。
「子供が本気にならないからやめさせる」「子供が本気になったらピアノを購入する」‥という前に。保護者さまにお願いしたいのは何よりも、ピアノを習う「環境づくり」です。
思春期こそやめてはいけない!ピアノの存在意義が変わります
小学校高学年から中学生くらいまでの思春期は、反抗的になる生徒さんも出てきて、レッスンがスムーズにいかないこともよくあります。
ですが、ここまで続けてきた生徒さんにとって、ピアノが弾けるということが、ご本人のアイデンティティにつながります。
クラスの中でも「〇〇さんと言えばピアノ」と言われるようになります。
ピアノが「自分を表現する手段」となり、自信につながり、なくてはならない存在となるのです。
受験や塾で忙しくなり、お金もかかる時期だと思いますが、ここまできたらもう、ご本人が「やめる」と言うまでは続けてほしい!
思春期は、記憶力が高まり、運動機能も発達します。身体が大人に近づくので、打鍵も力強くなり、テクニックも身につき、音楽的な理論も理解できる。ピアノの成長曲線がぐんぐんアップする時期なのです。
「トルコ行進曲」「ショパンのノクターン」など、有名なクラシックの曲が弾けるようになるのも、この時期からです。
中学までピアノを続けていれば、大人になってピアノを再開しても、しっかり基礎が身についていていますので、すぐに感覚を戻すことができます。
長年ピアノを続けて身につけたスキルは、努力してきたご本人の成果であり、長い間ピアノを習わせてくれた保護者さまからの、贈り物なのです。
大人になると、ピアノを弾く時間が格別なものになる
大人になってもレッスンをやめない‥というケースもあります。
実際、幼少期からもう20年近くレッスンを受けている生徒さんもいます。
大学の勉強の合間に、仕事の合間に。家事や育児の合間に。
やらないければなないことから少し離れ、ピアノの先生と一緒に、ピアノの音色にひたすら耳を傾ける時間は、まるで浮世離れした夢のような、格別な時間となります。
ピアノ教室はピアノを習う場所ですが、生徒さんにとって、良い時も大変な時も変わらない「安心できる居場所」
私はピアノの先生ですが、時には母のように、友達のように、先輩のように‥生徒さんの成長に合わせて、指導内容も変化していきます。
生徒さんが必要としてくれる限り、これからもピアノを通じて、生徒さんを励まし応援し続けます。